2022年 07月 25日
リコリス・ピザ
2021年 09月 10日
デッド・ドント・ダイ
『デッド・ドント・ダイ』(監督:ジム・ジャームッシュ)
いつものジャームッシュのノリでゾンビ映画を撮ったら、見事にジャームッシュ映画になった、ということだろう。最後に堂々と独白される文明批判も含めて、微笑ましく見れる一作。
映画を貫くリズムは、ノロノロと蛇行する、まさにゾンビの歩みそのものである。そして、そのリズムはとても心地良い。
アダム・ドライバーやビル・マーレイ扮する警察官が乗り込むパトカーも、ゾンビをよけつつ、時には首を切り落としながらノロノロと蛇行して進む。アクションの上では、ゾンビも生きる人間も同質のものであるということが、終幕の前に既に明らかにされているのである。
そんな中で唯一、蛇行することなく直線的で、角はキッチリと曲がってスタスタと歩むティルダ・スウィントンが地球人でないことは当然で、最後に円盤に乗って宇宙へ消えていったとて、驚くことではない。さもありなんと頷く以外にないだろう。
主張の青臭さも含めて、いつまで経っても巨匠にならないジャームッシュは、ただそれだけで信頼できる映画作家である。
あ、あと、セレーナ・ゴメスがすんげえ可愛かった。
2021年 08月 05日
探偵事務所23 くたばれ悪党ども
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』(監督:鈴木清順)
『野獣の青春』の前に作られた清順×ジョーのアクション活劇。
実のところ、あらすじは『野獣の青春』と大きく変わらない。ジョーが悪の組織に身分を偽って潜入し、組織を壊滅に追い込んでいく。ただしストイックな復讐譚である『野獣の青春』と比較すると全体的に明るく軽快。特に星ナオミと初井言栄という女性二人の存在が、作品に軽妙な味わいを与えていることは間違いないと思う。
今作のヒロインは笹森礼子だが、終盤になるまで殆ど喋らないし、正直あまり存在感もない。
その代わりに真のヒロインと言っていい大活躍を見せるのが星ナオミ演じる踊り子サリーであり、初井言栄演じる探偵事務所の助手・入江である。
ジョーとサリーのダンス&デュエット「63年のダンディー」は中盤の大きな見せ場であり、今作のアイコンともいえる名シーンだ。
星ナオミの出演場面は決して多くはないが、このシーンだけで映画のすべてを持っていく。
また、たった1人関西弁を喋る人物として登場する初井言栄もその喋りと存在で映画をけん引していく人物である。
初井の役は原作では男性だったが、清純監督のアイディアで関西弁の女性に変更したらしい。さすが!
荒唐無稽で楽しい娯楽アクション。
これがやがて、『殺しの烙印』へと至るのである。
2021年 07月 19日
あの夏の記憶
2021年 07月 08日