2007年 10月 08日
それでも円谷が好き
ウルトラセブン生誕40周年記念番組ということで、
『ULTRASEVEN X』なる番組が始まりました。
セブンは人気作ということで何度も新作が作られており、
擦り切れた感が凄いんですが(前にも言いましたね)、
やはり第1話は抑えておこうということで、観ました。
結果、
何もありませんでした。
円谷としては、深夜帯で新しい表現、新しいウルトラというものを創造したいんだな、と。
その気持ちは伝わってきました。
狙いは「大人の特撮」のようですし。
確かに、ウルトラシリーズとしては新しい表現が盛り込まれていたんじゃあないでしょうか。
アクション然り、世界設定然り。
しかし、ウルトラにおいて新しいと言えども、一般的に見れば
古臭いこと、この上ない。
「俺は誰だ」とか「完全なる管理社会」とか「サイバーパンク風味」なんて、
10年前の発想です。
『牙狼 GARO』とか先日始まった『キューティーハニー THE LIVE』など、良作の深夜特撮が製作される中、元祖本家本元の円谷が打って出るわけですから、それなりの気合を入れて取り組んでいるとは思うんですけど、それにしてもあんまりな感じ。
スタイリッシュな画を狙っている感じも、逆にダサく見えます。
無駄で尚且つ効果的でもないカットが多く、なぜか移動が多いカメラワーク(尚且つ効果的でない)も緩慢でイライラ。
カタルシスに欠ける演出。
淡々としてスタイリッシュが「大人の特撮」というものでもないでしょう。
ここで比べるものかどうかはわかりませんが、
同じく、大人向けというコンセプトを持って作られた
『仮面ライダー THE FIRST』『同 THE NEXT』の方が、作品としては成功しているような気がします。
東映が、常にアグレッシヴに(悪く言えば「節操無く」)時代の空気を採り入れて、新しいものを打ち出してきたのに対し、円谷は老舗の意地と伝統を守り、保守的に過ぎてしまっていた印象が私にはあります。
そういう意味では、円谷はこれまでの遅れを取り戻そうとしているのかもしれません。
『ウルトラマンネクサス』もあったことですし。
でも、あの地味なダサさは何とかした方が良いと思います。
by isoda8823
| 2007-10-08 19:32
| 三度の飯よりグミ
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