『人魚姫』(監督:周星馳)
周星馳の映画こそ、全国のシネコンでやるべきなのだというのが私の主張ですが、
今作は非常に少ない館数での公開でした。
もっとヒットしていい映画なのに!
今回も、パッと見、観光客向けのレストランのようでいて、実際見てみると地元向けの定食屋みたいなギトギトの表現で大爆笑させていただきました。
やたらと痛々しい笑いが多いですが、そこら辺も楽しめると、もう病みつきになってしまう。
個人的には『0091 北京より愛をこめて』に匹敵する愛すべき作品となりました。
特にすごいなと思うのは音楽の使い方です。
クエンティン・タランティーノよろしく、監督本人が影響を受けてきた映画やテレビドラマの音楽を引用しているわけですが、タランティーノの非常に繊細な選曲とは正反対に、非常に大雑把で節操のない選曲。
「ああ、コイツ本当にこの曲好きなんだな」とこちらがかんねんするくらい、しつこく『ドラゴン怒りの鉄拳』のテーマ曲を流す。
とあるシーンで「ゲッターロボ」の主題歌が流れた時には、その潔い即物的な曲の使い方に笑ってしまいました。
もうベタベタにも程があるというくらいベタベタ。しかし、それが良い。
ドラマ『射鵰英雄伝』の主題歌「世間始終你好」が印象的に使われていますが、とても格好良い。
これ、原曲を歌っているのがロマン・タムであることを知ってびっくり!
おそらく、あの「さすらいの恋」のロマン・タムですよね。