2015年 06月 02日
薄氷の殺人
荒涼としつつ、夜はネオンの色彩でケバケバしく彩られる街の風景。
寒々とした田舎道をスケート靴で滑っていく男女。
白昼の花火。上昇していくカメラ。
個々の画面がしっかりと記憶に刻みつけられる。
これだけの強度を持った画面が撮られる中国映画は豊かなのだろう、と思った。
反面、どの画面も、ちょっとカッコつけすぎなんじゃないかと思ったのも事実。
もっと凡庸でさりげない画面でも、充分力を持ち得るし、それくらいの力量のあるスタッフだと思うのだが。
作品HPに、日本の映画監督からの賛辞がいくつか載っているが、
その中に「阪本順治」の名前を見つけて膝を打った。
この映画、90年代の日本であれば、間違いなく阪本順治が撮っていたような映画だ。
by isoda8823
| 2015-06-02 17:46
| えいが道
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