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ジャンゴを観た。【 改訂版 】

『ジャンゴ 繋がれざる者』(監督:クエンティン・タランティーノ)


私にとっては『デス・プルーフ』が本当に奇跡のように感動的な作品で、これはタランティーノ自身の意図とかも超えたところで映画の神が宿ったのではないかと思っているのですが。
だから、『イングロリアス・バスターズ』も素晴らしい映画で、特に冒頭のシークエンスやらクライマックスやらは感動ものなんだけど、『デス・プルーフ』の、映画の原初の喜びに触れたような単純かつ底なしの感動には至らなかったのです。

で、今回の『ジャンゴ』はどうだったかというと、やはり素晴らしくて、長い長い上映時間を飽きることなくお腹いっぱいにしてくれる作品なのですが、なんかこう、自分の中で突き抜けていく感じと言いますか、まさに心を打たれる、、、いや、心を撃たれるような感覚はないなあ・・・と思いながら終盤あたりまで来たのですよ。

あの、私はあそこで終わるんじゃないかと思ったのですよ。
にっくき悪玉キャンディ――これは決してディカプリオでなければ出来なかった役って感じでもなかったですね――を殺したけど、相棒も死んで自分も捕まって奴隷に逆戻り。だけど俺の心までは鎖で繋げねえぞ!と爛々と輝くジャンゴの瞳みたいなね、まさかのそんな女々しい終わり方になるんじゃないのかと。

終わらなかったんですね。
タランティーノ自身が出てきたところで、「あれ?まさかやっちゃうのかな、コレは!」と思ったら、やっちゃったわけですね。
そこからの飛ばしっぷりは、なんかとても甘いお菓子を買い与えられているような気にもなったのですが、美味しいんだから仕方ないよな、と。
やっぱり私は爆発が好きなんだなぁ、と改めて思った次第で。
まるでダッチチャレンジャーを撮るかのように撮られた馬や、妻のもとに駆けつける時の影の見せ方。ちゃんと悪者は女でも容赦しない。これだよな!
最後の最後の爽快な幕切れに拍手ですよ。

『イングロリアスバスターズ』より好きかも!
by isoda8823 | 2013-04-09 18:38 | えいが道 | Comments(0)