『純情部隊』(監督:マキノ雅弘)
力道山主演のスター映画。
助演に進藤英太郎、杉狂児、堺俊二、ディック・ミネ、東千代之介。
戦時中に同じ部隊で友情を結んだ男たちが終戦5年後に再会するという内容だが、この映画の面白いところは、力道山にしろディック・ミネにしろ東千代之介にしろ、本人役で出演しているところ。
戦後ディック・ミネはクラブの人気歌手に、東千代之介は人気俳優という具合だ。
当然、彼らが戦友同士だったというのはフィクションであるが、彼らの友情が力道山をスタープロレスラーへと導くという筋立て。
私は力道山の演技は『チャンピオン太』での棒読みくらいしか観たことがなかったのだが、今作では決して上手くはないながらも、非常に愛嬌のある可愛らしい本人役を演じて(?)いる。
これといって特別凄い作品というわけではないが、充分に面白い。
中盤、力道山が以前いた相撲部屋の親方の娘が芸者となり、落ちぶれてキャバレーの従業員としてサンタクロースの扮装をした力道山と、キャバレーですれ違う場面があるのだが、とてもさりげない芝居ながら情感があって、とても良かった。