2006年 06月 26日
雷蔵と徳三
『濡れ髪牡丹』(監督:田中徳三)
タイトルだけ見りゃピンク映画ですが、
市川雷蔵主演の時代劇「濡れ髪シリーズ」の一本です。
武術、算術、おまけに忍術まで体得している、なんでもござれの旅鴉を演じた雷蔵の演技は、
後の代表作となる眠狂四郎の虚無感を称えた演技とは正反対で、飄々としていて尚且つ色気がある。
ちなみに眠狂四郎シリーズ第1作『眠狂四郎殺法帖』は、
今作の田中徳三監督が、当初から雷蔵を念頭に置いて企画した作品。
早駆けの場面でコマ落としを使うなど、画作りも面白い。
何より、京マチ子演じる3000人の子分を抱えるやくざの女親分の立ち回りが見事。
俯瞰の画で、紫色の傘がひらめきながらの殺陣は本当に美しい。
実は、終わりまで観てないんですが、その殺陣だけ見ても価値ある一本です。
by isoda8823
| 2006-06-26 18:15
| えいが道
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