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嗚呼!花の応援団

『嗚呼!花の応援団』『嗚呼!花の応援団 男涙の親衛隊』(監督:曽根中生)

まさに遺作以外の何物でもない『曽根中生自伝 人は名のみの罪の深さよ』を読み、居ても立ってもいられず鑑賞。
2作目の『嗚呼!花の応援団 役者やのォ~』を観ていないのは、これだけ100分超えだから。

1作目の出色は青田赤道役の今井均。
原作の青田にそっくりというわけでもないが(むしろあの絵にそっくりだったら化け物だ)、その存在感が素晴らしい!
彼の「クエッ、クエッ」「チョンワー!」は見事に感情の爆発を表していて、だからこそ漫画原作映画が陥りがちな「かくし芸大会」にならない、映画のリアリズムを獲得していると思う。
3作目の青田役は本間進。存在感は今井均にはるかに及ばないが、そのおかげで青田以上に脇役が活躍して、笑いの多い作品になった。

また、1作目と3作目ではカメラマンが違うので、その違いを確認したい意図もあったのだが、
果たして、中生自伝に書かれた通り、1作目の山崎善弘は75mmレンズで対象に肉迫する攻撃的な撮影であった。
あまりにも迫りすぎ、笑えるはずの場面でも息が抜けない感じがあった。
3作目の森勝カメラマンは50mmで少しゆったりとした画作り。
被写体への眼差しが優しい、とても安心感のある画面になっている。ギャグが多く、親子の情愛をクライマックスに据えた3作目にはぴったりだったと思う。

by isoda8823 | 2014-09-17 17:18 | えいが道 | Comments(0)