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カウリスマキは平気で奇跡を起こす

『ル・アーブルの靴みがき』(監督:アキ・カウリスマキ)

フランスで作られた、登場人物がよく喋るカウリスマキの新作は、なんとも自由闊達な映画だった。
ギャング映画のように始まって、探偵映画のようになり、音楽映画を経て、気がついたら素知らぬ顔で奇跡が起きている。本当にどんどんと奇跡を起こすので、「本当に大丈夫か」と思ったりもするが、そんなこと意に介さず平気でエンドロールに入るので、「映画ってそれでいいんだよな」と安心して劇場を出られる。
ヨーロッパの抱える難民問題や難病など、取り扱っているのは重い話題だが、それを軽やかに描いてみせる手腕は流石。
個人的には前作『街のあかり』の方が好きだが、観てよかったと思えるのは必定の、必見の映画である。
by isoda8823 | 2012-05-07 15:48 | えいが道 | Comments(0)