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へんげ

『へんげ』(監督:大畑創)

前回の『大拳銃』と同時上映で。
制作年代順に『大拳銃』(08年)⇒『へんげ』(11年)の順で観たのだが、まだ自主制作の香りを(良い味として)匂わせていた『大拳銃』から、もはや自主映画と呼ぶのも申し訳ない『へんげ』への技術的進化に驚いた。
物語は良い意味であまり進化しない。
『大拳銃』同様、物語はあるところでギャグギリギリの大飛躍を見せる。
僕はその飛躍に心躍らされる。

『大拳銃』の飛躍、主役とも言うべき大拳銃は、物語の流れからして決して突飛な飛躍ではなく、試射の描写もあって、かなり説得力をもって我々の前に登場してくる。
ここには主人公の拳銃作りへの過剰な執念と怨念、閉塞感など様々な状況・感情が渦巻き、それらの結実として大拳銃が登場するというカタルシスがあった。

『へんげ』のクライマックスはその感情の爆発を、「愛」として描いた点で、より通俗的なエンターテイメントになっていたと思う。
徹頭徹尾、夫婦の愛の物語であった。

夫役の相澤一成氏は、『超光戦士シャンゼリオン』の速水役の人。
なんだか、とても感慨深かった。
by isoda8823 | 2012-04-12 21:36 | えいが道 | Comments(0)