2011年 08月 22日
待ちねえ待ちねえ
ジョー・ダンテの作品をたくさん観ているわけではないが、『グレムリン2 新・種・誕・生』を偏愛する私にとって、ジョー・ダンテは特別な監督だ。この『マチネー』も公開時に雑誌「宇宙船」の紹介記事で見た記憶があるが、私の住んでいた町では上映されなかったはずだ。
キューバ危機の中、ウィリアム・キャッスルがモデルであろう映画監督が新作映画を持って町へやってくる。
モンスター映画を愛する少年や、「アカ」の少女、軟派な少年に、マセた少女、詩を愛する不良、愛すべき少年少女たちが映画館のマチネー(昼間興業)へ集い、まるで映画のような体験をする。
いや、「映画のような」ではなくて、これは映画だ。
映画がとびきり素敵な「体験」に他ならないことを『マチネー』は教えてくれる。
キューバ危機はあくまで背景に過ぎず、ここでは声高らかに平和を叫んだりしない。
しかし、主人公の父は軍人として危機の渦中にいるし、映画館の地下には核シェルターがある。
シェルターに閉じ込められた幼いカップルは、未来を案じる。
否応なしに、日常に核の危機、死の恐怖が忍び寄ってくる。
まあ、今見ることに意味を見出すこともできるだろうが、ここは、少年少女のロマンスに、素直に胸をきゅんきゅんさせていようじゃないか。
by isoda8823
| 2011-08-22 11:47
| えいが道
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