2011年 06月 27日
幸福な映画体験
強烈な映画。
予告編やポスターなどの宣伝素材から受けるイメージとは全く違う荒々しさ。
邦題の中で2回も掲げられた「愛」という言葉が空しくなるほどの狂おしい熱情。
厳格な映像美と圧倒的な芝居と、そしてこれがマルコ・ベロッキオの凄さなんだけど、これだけ重々しい物語の中にユーモアさえ感じさせる瞬間がスルリと入ってくる、その軽やかさ、自由さ。
70代のお翁さんにこんなに自由に映画を撮られたら、一体どうすればいいんだよ!
と興奮冷めやらぬうちに
『東京公園』(監督:青山真治)
もうほんっと素晴らしい!
すんげえ幸福な気分になりました。
誰がこの映画の中に、しれっと幽霊や宇宙が紛れ込んでくることを予想したでしょう。
誰がこの映画を通して、生と死を真っ直ぐ見つめることになると予想したでしょう。
誰がこの映画を観て、キスシーンであんなに固唾を飲むことになると予想したでしょう。
スーパー戦隊シリーズでおなじみのキャメラ・REDで撮影された映像は、被写界深度が非常に浅く、とても厳格に撮影されたはずなのに、スクリーンからはその厳格さから解き放たれたような浮遊感、自由さが感じられます。
多幸感に包まれる、素晴らしい映画です。
何度でも観たい。
何度でも観に行こう。
by isoda8823
| 2011-06-27 15:50
| えいが道
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