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仮面ライダーは「風」である(石ノ森章太郎の言葉より)

『仮面ライダーW FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ』(監督:坂本浩一)

W単独の劇場版で、テレビ版の最終回の直前に位置する物語。
監督は『ウルトラ銀河伝説』の坂本浩一。
2年足らずの間に「ウルトラマン」と「仮面ライダー」どちらも撮ってしまった。
これからの日本のアクション映画には欠かせない監督になると思う。

今作も、シリーズ史上最高といってもいいほど、派手で本格的なアクションが山ほど観られる娯楽作。
ちょっと北村龍平の匂いがしてしまう部分もあるが、悪ぶってるだけの草食系(こっちの勝手な推測)の龍平と比べると、坂本監督はいかにも「肉食ってます!」的な荒々しさと同時に、しっかりとドラマ部分も簡潔に丁寧に撮れる力量を持っている。坂本監督の『ゴジラ ファイナルウォーズ』が観てみたい。

W、アクセルと5人の敵とのアクションシーンの連続で進んでいく作品だが、敵1人ひとりのキャラクターに合わせたアクションが考えられていて、決して単調になっていないところがいい。肉弾戦から、武器を使った戦い、飛び道具、果てはバイクアクションまで、バラエティ豊かなアクションのパターンが詰め込まれている。
70分足らずの内容で、物語を語り、これだけのアクションを飽きさせず見せる手腕は凄い。
これは当然、監督の演出力だけでなく、スタッフ・キャストが担う部分が大きい。

特に、今回改めて思ったのは、『仮面ライダーW』は演技力のあるキャストが揃っていた作品だったということだ。翔太郎役の桐山漣のバツグンの安定力はもちろんのこと、フィリップ役の菅田将暉は1年間の放送期間で本当に上手くなったと思う。フィリップという役を完全に自分のものにしたからこそ、今作の演技があったのだと思う。

今作の必見は、須藤元気。かなりアクの強いキャラクターを、前に出過ぎることなく、それでいて印象的に演じている。器用な人だと思う。仮面ライダーオーズの初お披露目となるシーンでは、完全にオーズを食っていたが。

この映画のクライマックスは、仮面ライダーファン、「仮面ライダーW」のファンへの作り手の最大限の感謝のメッセージになっている。私は泣きました。
by isoda8823 | 2011-01-14 15:35 | えいが道 | Comments(0)